日本人の優劣

 (サッカーと同様)日本人の優劣を正しく認識し、それに基づいた国家戦略を立てることは、日本勁き国にしていく上で重要なことである。1980年代のOS開発や、1990年代後半頃からのIT化においては、おそらくこの戦略なくして取り組んだため、欧米に大きく水をあけられる結果となったと考えている。それから40数年の年月を経て、202191日にデジタル庁が設立され、国を挙げてDXを推進しているが、クラウド化の保存先に米企業を選択したことは(残念だけれども)正しい判断だったと思う。もし自前主義でやったら、使い勝手が悪く、セキュリティ面も脆弱なシステムになるのが落ちだろう。

 話は変わり、2011~2012年にかけて、当方は、ある新興国の技術者と交流させて頂く機会を頂いた。現地の開発拠点やビジネスパークなどを視察し、「町全体に勢いがあること、IT技術に関しては日本よりレベルが高いこと、(日本のお家芸もどこへやら)礼儀正しく勤勉な方が多かった」など、多くの気付き(というより)ショックを受けた。「これから日本の技術者は何をどう励んだらいいんだろう」と真剣に悩んだ。(余談だが)「日本を自画自賛する能天気なテレビ番組」に辟易としていたのもこの時期だったような。

 一方、「やはりこれが日本の優れたところなんだ!」と再認識し、安堵した場面もあった。それは、広大な敷地に沢山のモデルハウスが展示されている都市(というか田舎)があり、そこを見学させて頂いた時である。大きくて見事な建築物が数多く展示されており、敷地の広さも相まって、まさに圧巻だったが、次の瞬間「近づいてみると荒い作りだね」と、連れと共感したことを覚えている。日本の左官屋さんが見たら卒倒しそうな、荒っぽい表面仕上げだったのだ。

 この体験を機に、「日本人の優劣とは何か」ということを、折に触れて考えるようになり、その結果次のような結論に至った。日本人が優れている点は、♪じゃん♪美的感覚』である。それは美しい絵や造形物を創るだけなく、美味しい食べ物/お酒/ラーメンのスープ作り、ひいてはモノづくり(含む半導体製造技術)の源泉にもなっている。この才能は、きっと日本の四季によって育まれた美の感性が、長い年月をかけて日本人のDNAに組み込まれたものだろう。一方、日本人が劣っている点は、♪じゃん♪『論理的思考』である。「日本語は論理的思考に向いていない」ということを耳にするが、まさにそれが、ITシステム構築における構想プログラミングにおいて、(特に構想力という点において)大きな障害となっていると感じる。

 私は、(趣味で)プログラミングをやるが、行き詰った際に、英語圏の方々が作成されたサンプルコードやFAQを利用することがあり、その出来栄えのセンスに感嘆することが多い。じゃあ美的感覚は勝っているのか?と問われると、、、口を噤んでしまう(汗)。精進せねば、戦後の焼け野原から奇跡の復興を遂げ、日本を技術大国に発展させた父母や祖父母の世代に申し訳が立たないばかりでなく、その遺産の継承先である若い世代対しても頭が上がらない。まだまだ励むべえ( `ー´)ノ

四季折々の風景(無料サイトから拝借)