幸せになってほしい猫

 デブは年齢不詳の雌猫である。近くの駐車場に放置された車の下が、7年前までのデブの住処だった。噂では、2匹の子猫を連れていたそうだが、いつの間にか一人ぼっちに。

 息子が気にかけて、時々餌をやりに行ってたが、餌付けに対して苦情がでたので、(トムとジェリー方式で)餌で我が家まで誘導し保護(拉致?)したそうだ。首輪もしてないし外に出たがろうとしないので家族に迎えた。

 警戒心の強い猫だったが、毎日一緒に昼寝するようになってから、一気に距離が縮まった。夕飯後、当方が座椅子に寝そべっていると、私の腹によじ登り、べったり甘えるようになった。スキンシップしながら「辛かった記憶は消えないんだろうな」と思うと、不憫でたまらなくなる。その時はこう話しかけている。「デブちゃんは、よー頑張った。偉い偉い。金メダルあげるけね。お父ちゃんも見習わんとあかんな」と。

ゴロゴロ