Web3は複雑系

 あけましておめでとうございます。202316日の産経新聞の1面に、「SNSが政治を動かす」という書き出しで分散型インターネットWeb3が紹介されていた。インターネットはより民主的な仕組みに移行してきており、旧来の中央集権型から非中央集権型に変貌しているそうだ。これを見て、第一感「複雑系」を連想した。

 さて、複雑系に係る書籍「複雑で単純な世界」には、複雑系十分条件(八つの条件)が記載されている。その条件とは、①相互作用をしている多数の要素を含む、②構成要素がフィードバックの影響を受ける、③構成要素が過去の結果に基づいて戦略を変更できる、④開いた系である、⑤生きているように見える系である、⑥創発現象が見られる系である、⑦創発現象は中心的な存在なしで生じうる、⑧秩序ある挙動と無秩序な挙動の組み合わせを示す。

 Web3は、八つの条件を満たしていそうなので複雑系であり、SNSを介した民衆の相互作用によって引き起こされる創発現象(例:政治上の変化)を活発化させるであろう。複雑系の書籍「自己組織化と進化の論理」の第11章には、民主主義の正当性も自己組織化 (自律的に秩序を持つ構造を作り出す現象)の論理で説明が可能」と記述されており、産経新聞記事との関連性についても考察してみた。そして、(斯様な自然の摂理を理解できていない)専制主義者に読ませたい記事/書籍であると思いつつ、今年の松の内を終えた。今年こそ、ウクライナに平和な日常が戻ることを心から願う。

SNSが政治を動かす(産経新聞より抜粋)